サニテーションは汚水処理、雨水排除やし尿収集処理など広範です。アジア・太平洋地域の多くの国では、勿論、これは日本も同様ですが、サニテーションに関わる広い範囲の活動は綜合的で高度な管理を確実にするために、複数の部署が関与していることもあります。
関連部署がばらばらに機能したり異なる省庁に管理されていることはよくあることで、組織間の調整がうまくなされていない面もあります。 サニテーションが複数の省庁によって分割管理されているようなケースでは、各省庁が効果的な調整や強い政策もなく、サニテーションに係る問題への総合的な取組みが弱い状況になりがちです。さらにサニテーション施設の管理は通常、都市や地方の自治体に委ねられていますが、結果として、運営組織のキャパシティビルディングが重要な課題になってきます。
日本では、例え、サニテーションが2省庁(オフサイト処理は国土交通省、オンサイト処理は環境省)によって管理されているとしても、公衆衛生や公共用水域の汚濁に係る問題は比較的迅速にうまく処理されてきました。こうした日本の経験はアジア・太平洋地域では珍しいことですが、日本で採用、発達してきた政策、法制度、運営システムや管理、技術はサニテーション問題を抱える他の国にとっても大いに参考になると信じています。
2009年に設立されたJSCは、汚水、および雨水、し尿を適切に収集処理するサニテーションシステムを普及していくことを目標にしています。JSCはオンサイト処理とオフサイト処理の両方を対象にし、JSCの構成4団体が日本での40年以上に亘る汚水管理やし尿収集処理の中で培ってきた綜合的な知識、政策立案における経験、システムマネージメントや運転管理技術を有する独特な組織です。
JSCは研究機関、省庁、連携機関やNGO(例えば、日本水フォーラム、㈶下水道新技術推進機構、ユニセフ東京事務所、日本トイレ研究所)等からの専門家とも密接な連携を図り、事務局は下記の組織からの専門家によって構成されています。 また、われわれの活動においてはアジア開発銀行(ADB)、独立行政法人国際協力機構(JICA)や現地組織とも緊密な協力関係にあります。
<JSC構成団体>